お盆には、先祖の精霊をお迎えして供養します。
毎年八月(地域によっては七月)十三日に先祖の精霊を迎え火で招き、もてなしてご供養したあと、十五日または十八日に送り火でもどっていただきます。お飾りや、お供えものを川へ流す、「精霊流し」は歌にもなり、有名な儀式です。
精霊棚のお飾り
必要なもの
- ・棚、又は小さな机
- ・青竹や竹の棒
- ・真菰(稲に似た植物)の縄とゴザ(皮をはいだ麻の茎)、ホオズキ、アワ、キキョウ、山ユリ、ヒョウタンなど(お盆の時期は生花店で購入できます)
- ・ナス、キュウリ、サツマイモ、ブドウ、トウモロコシ、そうめん他、季節の初ものや個人の鉱物
- ・盆ちょうちん、灯篭、大内あんどん(デパート、仏具店で購入できます)
- ・ローソク立、香炉、花立て(ご家庭にあるもの)
近年は必要な物が揃いにくい、部屋のスペースに余裕がないというような理由から、別に精霊棚を作らず、仏壇の中にお飾りやお供えをする家庭も増えているようです。しかし新盆の場合は、仏壇とは別に丁寧にお飾りしたいものです。
飾り方
①まず四方に青竹を立ててその下に棚を組みます。
②真菰であんだゴザを敷きます。
③四方に立てた青竹の上に真菰の縄をはり、青竹の柱の下にはミソハギやガマの穂をつけます。
※これはこの中に先祖の精霊がこられる「決壊」、仕切りを作るためです。
④真菰の縄にはそうめん、ホオズキ、アワ、キキョウ、山ユリ、ヒョウタン、などを吊るします。
⑤霊座と呼ばれる真菰のゴザには、位牌やローソク立て、香炉、花立て、仏画などを配します。
⑥お供えは蓮の葉に数滴の水をたらした「閼伽水」や、ナスをさいの目に細かく刻み、清水で満たした器に洗い米といっしょに入れた「水の子」、季節の初物、個人の好物などが一般的です。
簡易な精霊棚でも必ず用意したいのが「精霊馬」です。ご先祖様が無事にあちらとこちらを往復するための乗り物で、きゅうりやなすにおがらや割り箸を指して4本脚をつくり、馬と牛に見立てています。きゅうりは足の速い馬で、ご先祖様があちらの世界から少しでも早く家へ買ってこられるように、なすは歩みが遅い牛で、家からあちらの世界までのんびりと帰れるように、また重い供物を楽に持ち帰ってもらうためにとの願いが込められています。
地域によって飾り方は多少異なります。
また菩提寺のある方も異なる場合がありますので菩提寺にお尋ね下さい。
お寺さん
- お寺さんに参っていただく日時は、あらかじめ連絡をして伺っておきましょう。
- お寺さんがこられたら、仏壇に灯明をともし、家にいる家族全員が仏壇の前に集まり、一緒にお参りをします。
- お盆のお布施は、毎年のことですから、いくら包むのかはっきりと決めておくとよいでしょう。
お布施の包みは、既成の不祝儀袋か半紙を折って、墨か黒包のインクで表に「御布施」と書きます。